電池でモーターを動力として、小さなかごのような搬器を動かすロープウェイの工作セット。メーカーは不明。発売年月日も記載されていなが、模型の定番であるマブチモーターなどではなく、B2モーターというのを自分で組み立てるところから作る事や、戦後の1955年頃からロープウェイが普及し始める以前は「空中ケーブルカー」という名称がまだ残っていて、この商品名が「電気ケーブルカー」であるのを考えると、1950年(昭和25年)から1955年(昭和30年)ぐらいだと推測する。
縦9.5cm×横13.5cmの小さな箱に材料と説明書が収められている。
箱の中のパーツ。細かい部品が入っているビニール袋は、経年のわりには真新しいので、オリジナルではなく、元の所有者が入れ替えた可能性もある。
油紙のようなパリパリした用紙に印刷された組み立て説明書。プラモデルのような、誰にでも簡単に作れるキットというよりは、科学や工作が好きな人向けな感じで、手先が器用でないと途中で作るのを断念しそうである。搬器になるパーツはブリキのような金属で、シンプルな作りである。ロープウェイの模型を作るというより、モーターや滑車を使って動く原理を理解し楽しむのが目的の商品であると言える。本当は組み立てて走行してみたいが、資料的価値からして、未使用で現存している物は少ないと察し、このまま保管することをご了承ください。