ウィキぺディアによると「子供の科学」は1924年(大正13年)に創刊され、現在も続いている児童向け科学雑誌である。この号が発売された昭和35年(1960年)と言えばまさにレジャーブームで、ロープウェイの開業が続く真っ盛りですから、ロープウェイの模型作りもさぞ少年たちの興味を惹いたことでしょう。 この時代にロープウェイのプラモデルなども発売になっていますが、ここではキットを使わず、すべて一から作る説明になっています。以前御紹介した「科学と模型」では金属板などを使った大人向けの模型作りでしたが、こちらは木材とボール紙などで車体を作る工作なので、やや容易になっていますが、それでも不器用だとできないレベルだと思います。「自動操縦装置つき」と仰々しく書いてありますが、ようするに車体の前後にスイッチがあり、壁に当たるとその棒が押されてモーターを逆回転させて方向を変える仕組みになっているということです。自分はロープウェイのおもちゃもコレクションしているのですが、この方式のおもちゃも当時たくさんありました。 おもちゃの世界では、この自走式のロープウェイのおもちゃが多くあります。ロープウェイは本来ゴンドラ自体には動力がなく、山頂もしくは山麓になる巻上げ装置でワイヤーを引っ張って動かすので、児童にロープウェイの仕組みを理解させるという意味では、先の「科学と模型」の方が正しい仕組みなのですが、遊びとしてはこれで十分だったことでしょう。 ゴンドラの形が当時のロープウェイではオーソドックスなパノラミック・ウィンドーのデザインで、今見ると、とても昭和レトロを感じさせます。今でも発売されているタミヤの「ロープウェイ工作セット」がほぼこれと同じ方式です。