のぼりべつクマ牧場ロープウェイ

山頂のクマ牧場へアクセスするためのロープウェイ。登別温泉の一番のアトラクション
函館で仕事を終えた次の日、洞爺に移動して有珠山ロープウェイを堪能した後、夕方に登別温泉へ向かい一泊。最高の温泉でくつろいだ次の日、朝からのぼりべつクマ牧場のロープウェイを堪能。日本のロープウェイの歴史からみてもユニークなところなのである。

山麓駅は温泉街より少し高いところにある。自動車だと駐車場まで上がれて便利だが、徒歩だと長い階段を上がるのでちょっとキツい。リフトもあるようだが、この日は動いていませんでした。

何よりも最初にチェックしたのが、1973年から1992年まで稼働していた交走式ロープウェイ跡である。サッポロオリンピックで使用された索道を移設して、循環式と交走式が平行して稼働していた時期がある珍しい場所であった。廃止後は貨物専用として仕様されていたようだが、北海道の索道関係者の話だと、もう現在は使用されていないそうである。

建物に入ると広いギフトショップ、通路の奥にチケット売場がある。ここのロープウェイは山頂にあるクマ牧場にアクセスする為の路線なのでロープウェイのみのチケットはなく、入園料大人2592円に含まれている。自分のように何往復かしたい者にはちょっと不向き。ところが「クマ牧場会員」というのがあり、3000円で1年間有効で、次回からは1000円で入場できる。入会してもう1往復しても4000円で安いので迷わず入会した。

入園券を買うと「くまのおやつ」というエサを手渡されます。なんか不味そう。

階段を上がり通路を進むと奥に乗場が見えてくる。クマのパネルやぬいぐるみと記念写真を撮るコーナーがあるが、自分がまっ先に目指したのが...

このコーナー!ゴンドラ握索機の部品展示と古い搬器保存されている。これを見れただけでも来た甲斐があった。

二代目の搬器のようだが三線自動循環式時代のものにはまちがいない。レトロなロープウェイファンの自分は感無量。角の丸み具合とか、この塗装のデザインとか、実に魅力的である。古い搬器は屋外で雨曝しになっていることが多いので、これは恵まれている保存例である。

中に入ることもできる。

朝の9時頃から来ているのに、交走式ロープウェイ跡やや古い搬器の観察をしていたので、乗車したのが10時半を過ぎていた。

ここはCWA製のオメガタイプといわれる6人乗りのゴンドラで、反時計回りで進んでゆく。

 山頂までずっと山裾に沿っていく感じで、深い谷間とかがないので、スリル感はないが、天気がよければ、のんびりとした空中散歩を楽しむ事ができる。

交走式の路線が平行して見え、両方とも走っている時に来れなかったことが残念でならない。

進行方向右側に景色が広がり、海まで見渡せる。

業務用搬器械。冬は鮭とばをぶら下げてるのと同じものです。

右側に見える交走式の旧駅舎が気になる。

山頂駅に到着。従業員さんの手作りっぽい装飾が中央にあり、機械的で冷たい循環式の駅を楽しくしようとしている心遣いが感じられる。

山頂駅の外観。ギフトショップもある。

山頂駅を出て左側に進むとクマがいる第1、第2牧場がある。人間が建物の中からエサをあげられる「ヒトの檻」も楽しい。

ここのもう一つの名物、アヒルの競走コーナー。

ヒグマ博物館と食堂がある建物の屋上からクッタラ湖がよく見える。

かるく山頂施設を見たので、11時22分に乗車して一度下ります。

出発してしばらくはなだらかなルート。

見渡せる範囲が広くて開放感が気持ちい。

ちなみに現在の単線自動循環式になったのは1990年から。

山麓駅の付近。左手に駐車場と、奥に登別温泉街が見渡せる。

そして山麓駅に到着!自分は2往復目を楽しむためにチケット売り場へ急ぐ。

下りてすぐのところにあるクマのぬいぐるみが乗った搬器のフォトコーナーがあった。

鮭とば号のレプリカも置いてあり、ココでも記念撮影ができる。

会員になったので2往復目は1000円で乗車できた。「鉄道データファイル」によると、この路線が道内初の普通索道だったとか。昭和32年の開業なので昭和33年開業の函館山ロープウェイより若干早かったことになる。そして交走式との2方式平行運行の時代を経て、1990年に単線自動循環式にかけ替えられるという、バラエティーに富んだ歴史がある路線。東京に戻るのに新千歳空港に向かう為、13時頃に退散した。

訪問回数 乗車日 乗車回数
2017年5月17日 2往復