森永ミルクキャラメルのペーパークラフト

森永製菓株式会社の「森永ミルクキャラメル」は明治32年の発売以来のロングセラーだが、ある時期に、内箱の外側にペーパークラフトが印刷されていて、切り抜いて組み立てると、小さなおもちゃが出来上がるようになっていた。これはその中のひとつで「空中ケーブルカー」である。落合紀文氏の「少年少女レトロ玩具箱」という書籍によると、昭和30年(1955年)頃からペーパークラフトが印刷されたようである。「ロープウェイ」を「空中ケーブルカー」と明記していることからも納得がいく。

このペーパークラフトは、たぶんグリコのキャラメルがおまけを付けて人気を博していた事の対抗策だったと察する。ここでは他にアメリカのジイゼル機関車と展望車を載せているが、このシリーズの種類は実に豊富で、乗物や建物、家具、風景ジオラマなど、内容もバラエティーに富んでいる。この限られた紙面にいろんな世界観を作り上げた当時のデザイナーが素晴しい。

長いところで横17cm、縦7.5cmの紙面を最大限に生かしてペーパークラフトがデザインされている。この空中ケーブルカー(ロープウェイ)は1号車が緑、2号車が赤で、組み立てると2.5cm×1.5cm×1.5cmの小さな搬器ができあがる。あとは紐を張って吊るすだけ。

貴重な実物を切るのはさすがにためらったので、カラーコピーして、ボール紙に張り付けたやつを組み立ててみた。小さいながらもちゃんと2台作ることができ、紐にぶら下げてみると結構雰囲気がでる。グリコのおまけにもロープウェイは存在するのだが、交走式のように2台セットで遊べるのは、お菓子のおまけ関係ではこれだけかもしれない。