昭和30年代のレジャーブームに登場したロープウェイは開業してから50~60年経っている。鉄道が新型の車両に替えられるように、ロープウェイの搬器も現在2代目、3代目などに引き継がれているが、昭和のロープウェイを追い求めている自分としては、古い絵葉書などで見た昭和の搬器に憧れがある。しかしロープウェイは鉄道のように博物館などで保存展示されることはほとんどない。そんな状況の中、たまに空地などに旧搬器が放置されていることがあり、予期せぬ出逢いに歓喜することがある。雨ざらしになり錆びて退色している搬器を見ると切ない気持ちにもなるのだが、それでも時代を超えて実物に出会えた喜びは計り知れない。10数年前に撮影した画像もあり、すでに撤去処分された場所もあるが、記録としてここに残しておきます。
-
叡山ロープウェイ
比叡ケーブルカーの山頂駅とロープウェイの山麓駅との間にポツンと保存されている初代搬器。過去に何度も塗り替えられていたようですが、最後はこんな塗装になっていた。その後の情報では撤去されたらしい。
-
昇仙峡ロープウェイ
この初代ゴンドラは1964年11月の開業から1988年に現在のゴンドラに架け替えられるまで活躍。ある時期に愛称が「ふじ」から「オールリ」(もう一台は「らかん」から「やまばと」)へ変更。山麓駅脇に展示保存されている。近畿車輌製。
-
明知平ロープウェイ
東武伊勢崎線の東向島駅の高架下にある東武博物館に、1950年から2001年まで使用された2代目搬器が展示保存されている。川崎車輛製。
-
登別温泉ケーブル 2代目搬器
のぼりべつクマ牧場の山麓駅2階、改札に向かうホールの途中に昭和38年から平成元年まで使用されていた2代目搬器が保存されていて、中に入ることもできる。
-
箱根ロープウェイ 初代搬器
1959年から1988年まで使用。12人乗りの東急車輛製。箱根ロープウェイの姥子駅を出た所に初代と2代目搬器が、ちゃんと懸垂機で吊り下げられた状態で保存されている。
-
箱根ロープウェイ 2代目搬器
1988年から2006年まで使用された2代目搬器も姥子駅の外に初代搬器と一緒に保存されている。定員13人の東急車輛製。
-
谷川岳ロープウェー
谷川岳ベースプラザの入口のまん中に旧ゴンドラが置かれていたが、現在は離れた駐車場に移動されている。これは初代ではなく2代目の2線自動循環式の時のゴンドラで定員8名のゴンドラが61台あった。
-
書写山ロープウェイ
山麓駅から歩いて15分ぐらいの所にある真愛幼稚園の敷地内に1977~92年まで使われていた2代目搬器が倉庫として残されている。これは2号車の「そよかぜ」。「鉄道データファイル」によるともう1台の「さちかぜ」は腐食が激しくて解体されたらしい。
-
伊香保ロープウェイ
山麓駅の裏手にある駐車場に初代搬器の「もみじ」と「つつじ」が2台並んで放置してあったが、その後撤去されてしまい現在はない。
-
金華山ロープウェー 3代目搬器
岐阜市の梅村建工の敷地内に1968~86年まで使用されていた3代目搬器の2号車が綺麗に塗装し直され、うめさんパークというスペースに保存されている。1号車も別の持ち主の自宅に保存されている。
-
金華山ロープウェー 5代目搬器
岐阜県のひるがの高原スキー場に1992年から2011年まで使われていた5代目搬器の置かれている。これは1号車の「長良川」で、2号車の「金華山」もある。
-
摩耶ロープウェイ
六甲有馬ロープウェーの有馬温泉駅側の駐車場の料金所として使用されている摩耶ロープウェーの2代目搬器。現在は塗装が変わっているようである。
-
長崎ロープウェイ
山麓駅の近くの宝珠幼稚園の敷地に初代搬器の2号車「つる」が残されている。現在は幼稚園の遊戯道具などを保管する物置として使われている。
-
善光寺ロープウェイ
長野県須坂市の街道沿いにある工事用機材が置いてある私有地に物置小屋代わりに使われていた善光寺ロープウェイの搬器(1号車、愛称「とがくし」)が放置されてる。その後2号車も同じ場所に移動されたらしい。
-
旭岳ロープウェイ
初代の搬器が個人の住宅の敷地内に放置されている。