『磐梯山と白虎隊で名高い会津若松市にもう一つの名物が出来た。東山か・・・らの歌で知られる東山温泉郷おり、海抜八二〇米の背あぶり山山頂に通じて新設された空中ケーブルカーで、延長一〇四〇米、高低差三七五米のこのケーブルカーより見降す会津盆地の景観は素晴しい。(背景は東山街道と会津若松市。本誌特写)』 以上本誌説明文より。
これは「世界画報」第25巻、第12號の表紙です。昭和31年(1956年)12月1日発売。表紙といってもこれは裏表紙になります。場所は今は無き背炙り山のロープウェイです。(空中ケーブルカーと呼ばれていました。)本誌の中にはロープウェイに関する記事はなく、この裏表紙の画像と上の説明文だけである。しかし撮影の為とはいえ、なんでガイドさんはこんな危険なマネをしているのが驚きです。どう見ても走行中に反対側の搬器から交差する瞬間を撮影したのだと思いますが、ドアを開けっ放しで身を乗り出すなんて大胆不敵!ちょっとバスガイドさん風の制服がステキです。
背炙り山空中ケーブルカーは1956年8月に開業したようなので、この画像はまさにオープンして数カ月の頃ということになります。ネットでみると1984年4月に休止になったようです。このロープウェイの資料はあまり多くなく、せいぜい古い絵葉書ぐらいしかなかったので、この大きな表紙の画像だと搬器の様子がよくわかり貴重な資料だと思います。