御在所ロープウエイの仕組み

これは御在所ロープウエイの仕組みを実際の映像で説明しているVHSテープで、当時山頂に施設があった(財)日本カモシカセンターが企画、制作したものである。とくにパッケージらしいものはなく、30分テープにラベルが貼られたシンプルなものであったが、内容は実に興味深い。

御在所ロープウエイの風景をバックにオリジナルの女性コーラスの歌が流れ、タイトルが現れる。

司会のおねえさん(クレジットがないので名前が不明)がいて、全体の進行をおこなっていく。

最初にロープウェイの簡単な歴史が語られる。1000年以上前のインドシナ半島で使われていたロープウェイの原理に近い乗物から飛騨の籠渡しなどを踏まえ、イタリアのユーレーン・バーン(1908年)や日本の矢ノ川峠索道などが紹介される。

そして話はいよいよ御在所ロープウエイの事になり、開業の様子から始まり、複線自動循環式であることの説明の後、実際のワイヤーロープの張り替え作業の様子が紹介される。当時の従業員さんが直接説明するところも興味深い。

ワイヤーロープの繋ぎ合わせ方も紹介。支索、えい索などの説明もあり、駅で停止する仕組みなど、かなり詳しく説明が続く。

運転室に入り、実際の運転についての説明になっていく。監視モニターや安全を点検する仕組み、そして整備の様子へと続く。

そして、それらのスタッフのおかげで安全で快適な乗車を楽しむことができることを語り、御在所山上での見どころを映像で紹介して締めくくられる。長さは約21分である。このビデオが製作されてすでに30年以上の月日がたっているので、今見ると若干情報が古いかもしれないが、普段見ることができない場所や様子がうかがえて、貴重な資料である。