ちなみにこの商品の正式名は不明。横11センチ、縦5センチ、幅5センチのブリキ製で、ゼンマイを巻いてロープに吊るしてから、底のストッパーを外すと一方方向に勢いよく進んでいくシンプルな玩具です。たぶん箱などはなく、このまま売られていたのではないかと思います。1950年代後半から1960年代前半ぐらいの物と推測。
こちらはアメリカで入手した物ですが、メーカーのマークから、これが日本のウサギヤの製品だと判明。横に「NEW CABLE CAR」と書かれていて、乗客の絵も外人風に描かれているのはやはり輸出を考慮した為であろう。
こちらは同型でデザイン違いの物ですが、神戸市交通局の局章と「すずかぜ」という愛称が書かれています。神戸市にあるロープウェイで「すずかぜ」の愛称があったのは「奥摩耶ロープウェー」である。(初代の1号車が「すずかぜ」2号車が「そよかぜ」でした。現在は「摩耶ロープウェー」の名称で、愛称は「おりひめ」「ひこぼし」になっている。)当時の奥摩耶ロープウェイのデザインはこのおもちゃの配色とはぜんぜん違うが、奥摩耶ロープウェー関連のおみやげ品として作られた可能性は考えられる。輸出向けに作られたデザインではないのは明らかです。ちなみにこちらにはウサギヤのマークはない。
両方のデザインを比較してみると「すずかぜ」は国内向けなので、お客さんが日本人っぽい。どちらの商品が先の発売かは不明ですが、センターのドアの枠を見ると「NEW CABLE CAR」の方はちゃんと型の凹みに沿ってドアが描かれているが、「すずかぜ」はドアのデザインが型からはみ出て描かれているので、「すずかぜ」の方が流用されたのではないかと推測する。