集英社の「よいこ二年生」1951年5月号の中の口絵で、折り込み部分を開くと横53cm×縦26cm、ほぼ3ページ分の大きさになる。絵は中島章作氏で、1912年生まれで、図鑑や科学雑誌、絵本など、2009年に他界するまで多くの作品を残しているイラストレーターのようである。本書の後ろにある「おかあさまのページ」に解説が書かれており、そこでは、この絵は明知平空中ケーブル(明知平ロープウェイ)がモデルになっているという。ケーブルカーからロープウェイにアクセスするという意味では正解だが、この搬器のデザインは、むしろ三峰山ロープウェイの初代搬器にかなり近い。この雑誌が発行された1951年は、戦前に不要不急で廃止を免れた三峰山ロープウェイと吉野山ロープウェイ、それに戦後唯一復活した明知平ロープウェイの3箇所のみであった。
これは三峰山ロープウェイの初代搬器の絵葉書である。これを見ると絵のモデルが三峰山だとわかる。当時ここの搬器の愛称が「わかば」と「にしき」であった。上の絵の中でローマ字で書かれている愛称が、右側が「WAKABA」で左側が「AOBA」と書かれていることからも、明知平より三峰山がメインのモデルになっていることがうかがえる。
「よいこ二年生」第二巻第二号 1951年5月1日発行 集英社 絵 中島章作 当時の定価90円 |